2005年06月10日

華ちゃん Part2

そして食い終わった私たちにオバハンは言う。
「お兄ちゃんたち、時間ある?美味しいインスタントコーヒー入れてあげるわ。飲んで行き。アメリカンにする?それとも普通?」
インスタントコーヒーと言い切った後にアメリカンにする?も無い物だと思ったが、オバハンの好意を無にするわけにも行かず、
普通でお願いします、と丁重にお応えしたのだが、さらにこの辺でどんどん調子に乗ってきたオバハンは
次はコーヒーカップについて喋り始めた。

昨日100均で買ってん、それも普段は忙しいからそんな所めったに行けへん、
昨日はお店休みやったから、でもな、休みやのに店の買い物で出掛けてんで、ホンマよー言わんわ、
それでな、たまたま通りかかった店でこれを見つけてん、でも三つしかないからなぁ、
大体こんな小さいカップ、コーヒーに合わへんのちゃうのん?って店の兄ちゃんに訊いたら大丈夫って言われてん、
それやったら買うわぁって買ってん、お兄ちゃんたちどう思う?やっぱり小さいかなぁ?
でもインスタントコーヒーも美味しいやろ?このカップ3つしかないねんけどな、これは青の縞々でこっちは緑、
似てるけどちょっと色違うやろ?それでもうひとつは何色やったかなぁ、ちょっと待ってや、
うわぁ、落としてもうた、良かったぁ、割れんかったわ、100円やのに結構強いわ、瀬戸物は割れるからカナンなぁ。あ、これは赤やね、どれも可愛いやろ?
と息継ぎ無しに一気にまくりたて、飲むタイミングを逃したインスタントコーヒーはすっかり冷めてしまったのでした。
カツ丼は限定5食だが、インスタントコーヒーは限定3杯、それがもう少しで危うく限定2杯になるところであった。

ところで華ちゃんは夜は居酒屋的に営業しているらしく、壁には色々なメニューが貼ってある。

出し巻き ¥300 ミンチカツ ¥300  お、安いやん?
天ぷら盛り合わせ ¥350  無茶安いんちゃうん?
トマトサラダ ¥350  え?高い?っちゅうか、他のんとバランス取れてへん・・・
豚足 ブヒィー ¥400  「ブヒィー」って何やねん?
おでん おいすぃ〜 ¥150〜   オバハン、ミニモニかい?

・・・気を取り直して、本業のたこ焼きを見てみると・・・

6ヶ ¥250
10ケ ¥380
12ケ ¥450
15ケ ¥580
通常、沢山まとめ買いすれば安くなっていくのだが、そんな一般常識は大阪のオバハンには通用しないのであった。

満足度はともかく、満喫度は100%の「初華ちゃん」であった。

BGM:GILROCK RANCH/BRAD GILLIS
posted by カルロスケンジ at 02:49| 大阪 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月08日

華ちゃん Part1

会社近くに「華ちゃん」なる営業してるのかどうかも定かでないようなたこ焼屋がある。
会社でたこ焼食うわけでもなく、流行っている風も無いので全くその存在に目もくれていなかったのだが、
数ヶ月ほど前からその店先に「特製カツ丼 限定5食」というノボリを見かけるようになり気になって仕方が無かった。
限定と言う言葉に弱い日本人どもが我先に華ちゃんに押しかけており、我がのそっと華ちゃんに出向いたはいいが、
カツ丼ははるか昔に売り切れており、たこ焼しか食うもんが無い、そんな状況に追い込まれるとそれはキツイ。
どうしてくれようと思ったまま華ちゃんの処遇につき、持て余していたところ、
華ちゃんもそんな庶民の心配を察したか、店先のノボリが徐々に増えだし、それによると
どうやらお好み焼きや焼きそばなんかもやっているらしい。
それなら安心だと本日、初華ちゃんを体験してまいりました。

高槻第九中学校のプールサイドに立っているボイラー室と同じアルミサッシのドアを開け、店内に挑む。
さすがお好み焼き屋である、鉄板が真ん中に付いたお好み焼きテーブルが二卓並んでいる。
ただ、普通のお好み焼き屋と違うのは、テーブルを取り囲むように、向かって奥に流し、右側が冷蔵ケース、
左側が奥からコンロ、フライヤー、たこ焼き器が並んでいるのは良しとして、
テーブルとそれら業務機器を遮る物は一切無く、まるで厨房の中の作業台で飯を食う、言うなれば賄い食?ってなレイアウトなのである。
一時期流行ったオープンキッチンもここまで来ると大した物である。

次は店員について述べる必要がある。
店員と言ってもオバハンが一人いるだけなのだが、このオバハンが何とも大阪のオバハンなのである。
「ん?大阪のオバハン??」と言う人には拙い文章で説明をする事は不可能だ。
そういう人は先ずは東大阪や八尾辺りを徘徊するか、手っ取り早く華ちゃんに行っていただきたい。
まあ、そう冷たく言い放つのもあれなので若干の説明をするとして、その髪型は大阪のオバハンに一番の人気のパンチパーマではなく、
二番人気の裾だけタラ〜っと延ばしたモンチッチカット。
この辺り、敢えてドコモを避けてauにした私と合い通じる物は無いと思う。

緊張して席に着いた我々にオバハンはその緊張をほぐすためか、意表をつくためか、
いやいや、間違いなく素の行動であったと思うが、テーブルの真ん中におもむろにスポーツ新聞を敷き、そこにバケツを乗せたのであった。
そのバケツには、製氷機で作った氷が融け掛かったのを再度冷凍庫に入れたことが確実視される氷の塊が入っており、
そのバケツに引き続き、水の入ったポットと、何も入っていないグラスが私の前に二つ並べられたのであった。
一般常識で考えればこれは相当な異常事態であると思うが、人並みに人生経験をつんできた私としては
今はとにかくアイスピックでこの氷魂を砕き、コップに水を注ぎ、二人分の飲料水を確保する事に汗すれば良いのだなと咄嗟の判断をした上で、
早速行動に移そうとしたが、それよりいち早くオバハンは私の肩を抱き、耳元で
「ごめんやけど、この兄ちゃんの分も水入れたってなぁ。ホンマ堪忍な」とのたまったのである。
大阪のオバハンは非常にフレンドリーである。

先述のとおりレイアウトされた店内は、作業の動線を考慮した物とはとても言いがたく、
どちらかと言うとその作業の合間に客との触合いをし易くするためのレイアウトであると言わざるを得ない。
なんやかんやと喋りながらオバハンは狭い店内をあっちへこっちへウロウロし、丸椅子に座った私の背中と、
歩き回るオバハンのケツは衝突しまくりである。
その上何故かマトモな作業台がなく、我々二人分のカツ丼を作るために、たこ焼き器の上から鉄板の上、
果ては足元に置いたビールケースの上までを駆使せねばならない羽目になったのである。
今日は他の客がいなかったから良かった物の、お好み焼きやたこ焼きを注文する客が来た日にゃ一体どうなる事なのだろう。

どう考えてもこの状況上、オバハンに全てを委ねるわけには行かないので、肉に衣をつけるところから、出汁で玉ネギ等を煮込み、
タマゴで綴じどんぶりに乗せるところまでオバハンの一挙手一投足を観察していたが、
動線のレイアウトを中心とする作業環境の劣悪さに加えオバハンの要領の悪さにより、カツは焦げ気味であったが、
まずはカツ丼完成。
しかし、箸をつけるのに勇気がいる外食ってのも珍しいだろう。
オープンキッチンも問題あるな。世の中には知らないほうが良い世界ってのもある。

しかし食ってみるにこれが以外に全く普通の出来であった。
肉は結構いい物を使っているのが作っている時から解かっていたし、味付けもごく普通。卵も丁度良いぐらいの半熟。
普通じゃなかったのはオバハンの喋り
「出汁少なくなかった?え?こんなもんでええ?味薄くない?あ、ほんま?よかったわぁ」
ってあんた、初めてカツ丼作って子供に食わせるオカンちゃうねんから勘弁してくれ・・・

ここで、初めに述べた「限定5食」の理由が判ったのだが、これは実にシンプルな理由であった。
お盆、丼、味噌汁の茶碗が5セットしかない、ただそれだけであった。。。

BGM:KEEP THE FAITH/BON JOVI
posted by カルロスケンジ at 02:21| 大阪 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月01日

方向指示器

うちのスクーター「五十六」はなかなか優れた奴で、方向指示器が標準で付属されている。
それは多くの亜米利加かぶれの日本人によって一般的にウインカーと呼ばれているが、
直訳すると「ウインクする奴」である。
バイクがウインクするものか!と怒ってもあまりに大人気ないので、
少し大人になって考えてみるに、このウインカーなる物、
柿色の電球が点灯と消灯を0.55秒位おきに繰り返す、つまり平たく言うと点滅をするので、
それがウインクをしているように見えるから、ユーモアたっぷりの亜米利加人によって
「ウインカー」などと名付けられたのかも知れん。
決して女子に何らかの意思を示したり、その手の行動を起こしたり、
はたまたその昔テレビの中で、ジュリーがやっていたようなことをバイクがするわけではないのであった。
ひとつ余談をすると、一時期ハイフラなる点灯と消灯を著しく素早いタイミングで繰り返す
装置が流行った事があるが、これを見たら如何なる亜米利加人と言えど、ウインクする奴などと
のん気なネーミングは思いつかなかったであろう事が予想される。
こんなスピードでウインクを繰り返せば、瞼の筋肉が強化され、局部マッチョになってしまう事請け合いだ。

ウインカーには0.55秒おきに柿色の電球が点灯と消灯を繰り返すだけではなく、
もう一つ大きな特徴があるのでして、それはその点滅に合わせて「カッチッカッチ」と
リズミカルなクリック音を発する点であり、小生も高校生の時分、それをメトロノーム代わりに
日々リズム感を鍛えるためにベースの練習をバイクの前で繰り返す事は決してしなかったのである。

で、うちの五十六の何が優れているかというと、今は個性の時代と言われているが、
それに習い、ナンバーワンではなくオンリーワンを目指したのかはさておき、
方向指示器を点滅させる事を中止し、ある日突然点灯しっぱなしに方向転換したのである。
しかも完全に点滅から点灯に移行したのかと思いきやそうでもなく、
あ、点灯しっぱなしやんけと思わず覗き込んだところに一瞬消灯をしたり、
飼い主のオレを欺いたり非常に可愛い行動を繰り返すようになったのである。
当然「カッチッカッチッ」とリズミカルな発声も出来るはずも無く、
「ジュジュジィジャジョジェジェジェジェ・・・」と死に掛けの鈴虫のような声を絞り出している姿も
健気で非常に愛くるしい。
信号待ちの交差点などでは漏れなく周囲の注目を浴びる事が出来る特典もついてくる。

こんな五十六にオレは大きな敬意を表し、明日にでも修理に出そうと考えている。
posted by カルロスケンジ at 00:42| 大阪 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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